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水唱餞歌



崩落螺旋階段

初めは はっきりと分かれていただろう

赤と銀

赤のなかに垂らされた銀は

決して交じり合うことなく 赤に沈んで往く

何故なら 「赤」は人で 「銀」は獣だったから

決して相容れない遺伝子情報であり 原子記号

だか 液体という原子の結合が緩い状態での其は

次第にゆるゆると解けて往き

決して同一になることは無くとも

決して分裂できないほどに

深く

深く

交じり合うことになる





縁側で夜空を見上げるあいつを見た

…あいつは わかってんだろうか…

自らの内に巣食う存在を

…自らの内に刻まれた 真実を

俺は 知ってしまった

知ってしまった

もう どうにもならないことを

だが まだ知らないこともある

「待ってろ…」

絶対に 見つけてやる

たとえ それが不可能でも

たとえ それをお前が望んでいなくても







知っていて

知らなくて

それでも

分かっていて

白い女の子

…黒い…狐…

太郎はん

俺…

俺は…

「どこにおるんやろう…」


真実 を 見に往く べき ?


by kaze-kara | 2007-03-11 08:52 | 黒ニ鳴ル噺
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  PBW「シルバーレイン」     雀宮棘の日常と思考。

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