「…そうね。ふたつもみっつもと、複数のものを大切にしようとおもうと、どうしてもどちらかを捨てないといけない時があるわね。」
「わたくしは…。わたしは、どんなに大切でも、どんなに重要でも、片方を捨てる選択をした人をしっている。」
「彼女が今、しあわせかどうかはわたしにはわからない。」
「だけど、選択したなら責任を持つべきよ。」
「…それが例え、逃げであったとしても…。」
「あなたと彼女とでは、比べるほど似ていないかもしれないけれど。」
「…ごめんなさい、お役に立てなくて。」
「……ロットバルトが来たわ。もう下りましょう?」
「…ええ、そうね。今日のお夕飯は何かしら…。」